福岡市は、令和7年度2学期(9月)から、市立の小・中学校および特別支援学校に通う児童・生徒の給食費を無償化します。
これまで毎月4,200円(小学校)〜5,000円(中学校)程度の費用を保護者が負担してきましたが、今後は福岡市が全額を負担することになりました。物価上昇が続く中、子育て世帯の経済的な支援をより手厚くするための施策です。
生活保護や就学援助など、すでに他制度から給食費が支払われている家庭についても、引き続き負担はありません。
なお、8月までの給食費はこれまで通り納付が必要です。長年の声に応えるかたちで実現する給食費の無償化。すべての子どもたちが平等に教育と食の機会を得られる環境づくりを進めていかなければなりません。
無償化して大丈夫? 福岡市の給食の量問題

SNSで「唐揚げ1個だけ」の給食写真が拡散され、「少なすぎる」との声が相次ぎました。現在、福岡市では物価高騰対策に10億円以上の補助を投入し、給食の質と量の維持に全力で取り組んでいます。
給食無償化が実施されたとしても、これにより量や質が下がることはありません。大切なのは、こうした事実を丁寧に伝えていくこと。現場の努力と子どもたちの笑顔を、正しく見つめていただければと思います。
なぜ今回のような給食になったの?
SNSで拡散した「唐揚げ1個だけ」の給食写真は、新1年生向けの献立です。
実際には通常の1.5倍の大きさ(155kcal)の唐揚げと、栄養バランスを考慮した構成でした。福岡市の給食は、成長に必要な栄養を科学的に計算し、年齢に応じて配膳量も調整。さらに「おかわり自由」の仕組みで、足りない子は追加できる柔軟な運用がされています。
また、今回は見栄えの面でも問題があったと思います。たとえば、今回の唐揚げ1個を他のおかずにすれば、もう少し見栄えは良くなったかもしれません。


ただし、実際に食べるのは、私たちではなく子どもたちです。
栄養バランスが整った、カロリー過多にならないように考えられた給食を提供することも重要な使命ですが、子どもたちの唐揚げを食べる権利を奪うのも良くありません。
子どもの食の楽しみと、栄養バランスを踏まえた、柔軟な対策が求められます。