福岡市では、東区香椎地区を繰り返し襲う浸水被害を軽減するため、地下に新しい河川トンネルを建設しています。地下河川トンネルとは、地上の川の水を一時的に地下のトンネルに流し込み、下流へ排出することで洪水を防ぐ仕組みです。このトンネルは、香椎川の水位が急激に上がった際に、毎秒20トンの水を地下に取り込み、香椎川本流の水位上昇を抑える役割を果たします。
今回の工事では、香椎川の約10メートル地下に内径4.5メートル、全長712メートルのトンネルを設置。トンネルの建設には、地表を掘り返さず地下で掘削を進める「シールド工法」という技術を採用しています。この方法は、地上の住環境や交通に影響を与えずに安全に工事を進められる点で優れています。
香椎川と宮北川の合流地点付近にトンネルへ水を流し込む施設(流入施設)を設置し、下流では香椎川と西鉄貝塚線が交差するエリア内の公園予定地に排出口(放流施設)を設けます。この仕組みにより、大雨の際に香椎地区の浸水リスクを大幅に低減できると期待されています。
香椎地区は、急速な市街地化と雨水の流出量の増加により、これまで何度も浸水被害に見舞われてきました。特に1999年の大規模水害は地域住民にとって大きな試練でした。さらに、近年は短時間に大量の雨が降る「ゲリラ豪雨」が増加しており、今回の地下河川トンネルは、こうした新たな気候リスクにも対応するための重要な防災対策です。
地下河川トンネルは、福岡市で初めての取り組みです。福岡市では、このプロジェクトを通じて、地域の皆さまが安心して暮らせる環境づくりを進めています。